バスケットボールのシュートフォームに完璧な形が決まっていれば、それを完全にコピーすることで確率を上げることにつながりますが、現実はそうではありません。
選手は身長、筋力、関節の柔軟性、腕や足の長さなどが異なります。ある特定のフォームを再現していくことは難しいことも多いのが現状です。
シュートフォームを教えてくださいと言ってくる選手は多いです。シュートの指導をしていて、矛盾するように感じるかもしれないですが、最終的には自分自身で個人に合ったフォームを探していかなければなりません。
そのためにはフィードバックが重要になります。フィードバックには様々な方法があります。その中で定期的に行って欲しいのは3種類のフィードバックです。
①感覚のフィードバック
②映像のフィードバック
③他者視点のフィードバック
①感覚のフィードバックとは、自身の動作の後にどういった感覚でシュートを放ったのかを振り返るということです。関節の曲がり、ボールの接触、ストップや体重のかかり方、感覚として入ってくる情報は多くあります。脳から送られてきた信号をもとに体を動かしますが、この感覚に定期的に向き合うことで、シュートスキルの向上だけでなく、上級者のスランプ克服にも役立ちます。
②映像のフィードバックとは、感覚として入ってきた情報と映像としての自分の動作を見ることで、主観と客観のすり合わせをしていきます。フォームを構築する時期には定期的に確認することでより理にかなったフォームを手に入れることができます。
最後に③他者視点のフィードバックとは、バスケットボールのシュート熟練者にアドバイスをもらうということです。同じ映像・動作を見ても、人によって気づくこと、感じることは異なります。自分に無い視点を理論的にフィードバックをしてくれる人を見つけることで、成長のスピードを加速することができます。
シュートは距離やタイミング、疲労度、シチュエーションが毎回異なるため、教えられることに限界があります。ただし、コーチは一緒に時間を過ごすことで、科学的に理にかなった体の使い方を教え、セルフフィードバックを最大限に発揮できるように導き、正しい努力の方向に向かわせ、背中を押すことで多くの選手をサポートしていくことはできます。
より多くの選手の努力が成功に繋がるようにサポートしていきたいと私たちは考えています。