ワンハンドとツーハンド

女子の選手からよくある相談に、ワンハンドとツーハンドはどちらを身につけるべきかということがあります。

欧米では女子の選手でもワンハンドが主流であるため、ワンハンドにすべきという意見を聞くことがありますが、私はメリットとデメリットを理解して、自分のプレースタイルに合わせて選択すべきだと考えています。


「エネルギー」、「軸」、「調整」という三つの観点から考えてみます。


まずエネルギーについて考えてみると、ツーハンドは二本の腕を使ってボールを放つのでワンハンドシュートよりもより多くのエネルギーをボールに伝えることができます。シュートは高くアーチをつけた方が確率が上がることは科学的に証明されているため、力のない選手にとってツーハンドシュートを活用することは理にかなっていると考えられます。


次に「軸」について考えてみると、ワンハンドシュートは軸が利き手側の一つであるため、激しい動きの中で急にストップして打つ状況や、ターン動作が入って打つ状況においてもボールをまっすぐ飛ばしやすいと考えられます。一方のツーハンドシュートは両腕の力を均等にかける必要があり、軸は2つとなるため、動きが入ったシュートは難しいと言えます。止まった状態でボールをキャッチしてシュートをリリースするだけなのであればツーハンドシュートでも問題にならないですが、バスケットボールのシュートはディフェンスがいるので、ほとんどが動きのあるシュートになります。そのため、より多くのシュートチャンスを作りたいのであればワンハンドシュートを練習する方が良いのではないかと考えています。


最後に「調整」について考えてみます。モノを投げるという動作を考えた際に、繊細に調整し、コントロールしやすいのは片手(腕)になると考えられます。両手だ扱うとすると、どちらかの腕の力が強くなるだけでボールは左右にずれますし、前後の調整も片手の方がコントロールしやすいです。


以上を理解した上で、どういった選手になりたいのか。そのイメージを持って選択・練習することが重要であると考えています。