練習の量と質

練習の質が大切、これはよく言われることで、質を上げることがコーチとしての仕事といっても過言ではありません。

一方の量に関してですが、プロ選手や実業団、社会人のトップ選手になるための練習量はどのくらいでしょうか。

競技は違えど、サッカーにおいて面白い研究がありました。
結論として、一流のプロとして認められる力を身につけるには、およそ1万時間の練習が必要と考えられています。

これは1日3時間の練習を毎日継続したとしても10年近くかかります。

そして、面白いことに、一流アスリートと、そうでないアスリートとの間には練習時間において明らかに有意な差があることが報告されています。

サッカー選手における練習量と選手レベルとの関係

上図はベルギーで行われた累積練習時間の調査結果です。
研究により、W杯出場選手などの国際レベルの選手、国内リーグ所属の全国レベル選手、地方レベルの選手の間に明らかな差があることがわかっています。

また、これはスポーツだけではなく音楽演奏家に関する調査でも同様の結果となることが明らかになっています。

質が大事なのは間違い無いですが、
一流になるスポーツ選手や演奏家とそうでない人との間には練習量そのものに差があることがわかりました。

プロ選手に聞いてみると、育成年代から多くの時間をバスケットボールに費やしてきたという選手がほとんどです。身体能力や才能によってバスケットを始めて間もない間は、練習の量が少なくてもごまかすことができますが、いずれは正しい努力を続ける選手に負けます。努力し続けられる選手だけが、トップ選手になり、生き残ることができます。

練習をして結果がでる。それにより、モチベーションが上がり、さらに練習をする。こういったサイクルを作ることができれば自然と「質と量」が上がり、成長につながると考えています。