シュートと背骨


GRITのコーチ岡崎です。
これまで6年間、育成年代の選手たちにバスケットボールコーチとして、バスケットボール教室を600回以上開催、400人以上の選手のコーチやレッスンを行ってきました。
肩甲骨面から上腕のお話を前回のブログにてお伝えしました。(「肩甲骨と上腕の最適化」)より安定したフォームを作る上で、肩甲骨に注目するという話をしたのですが、肩甲骨だけではフォームは完成しません。
育成世代の選手特有の問題が出てきます。それは「姿勢」です。

このような姿勢で過ごしていませんか?

足を伸ばしている。足裏が床にしっかり付いていない。猫背になっている。アゴが上がっている。頬杖をついている。

このような姿勢で普段過ごしていないでしょうか?

シュートの安定する選手というのはプレー中の姿勢はもちろん、普段の姿勢も美しいものです。
姿勢というのはパフォーマンスに大きな影響を与えます。NBA、Bリーグのトップ選手のプレーで姿勢が悪い(猫背など)はまず見ることがありません。


では姿勢がシュートに対してどのように影響を与えるのか?


結論から言うと、肩甲骨が動きにくくなり、安定性も失われることがわかっています。
代表的な4つの姿勢を見てみましょう。

A)正常の脊柱は緩やかなS字型で胸椎が後彎してることで、胸郭がドーム型になる。そのため浮遊骨の肩甲骨は安定して肋骨に乗ることができる。

B)猫背型は胸椎が後彎し過ぎており、動きに余裕がないため、肩甲骨も動きが悪くなる。

C)フラットバック型は胸椎がフラットのため、胸郭も扁平化してしまい、肩甲骨がフリーホールのように肋骨に張り付かないため、安定性が乏しい。

D)疲労姿勢型(=スウェイバック型)は今の若い世代の代表姿勢で、「休め」の姿勢である。体幹の効きが悪いため、胸椎・胸郭の動きも乏しく、結果的に肩甲骨も動きにくくなる。


今まで多くのバスケットボール教室に行き、選手の動作を見てきましたが、コーチングを受けていない育成年代の選手はほとんどがフラットバック(C)かスウェイバック(D)の姿勢でした。そのため、肩甲骨の動きが悪く、シュート動作において上半身の硬さがなかなか取れない選手が多かったのです。

そういった選手たちに、シュートを打つ前のベースとして骨盤から脊柱にかけて、相談をしている理学療法士と一緒に選手達にアプローチをすることで、楽にシュート動作をすることができるようになりました。(姿勢改善後、シュート以外のプレーも向上)


ちなみに、フラットバックなどの姿勢だと胸郭の扁平化によって、肩甲骨面状も角度がでにくくなるので、最も安定すると考えられる肩甲骨面上でシュートをすると考えるとかなりの角度(横を向く)が必要になります。


姿勢改善をすることによって、肩甲骨の動きやすさと安定性が向上。
→リングに対する体の向きのずれが多少あったとしても、調整し、上腕をリングに向けることができる。
→試合中の動きのある中でのシュートの確率向上。

というように『姿勢』はトップ選手になるために重要なキーであり、シュートにおいて非常に大きな影響を与えることがわかっています。

Catch & Shot