バスケットボールのオフェンスには様々な戦術があるが、基本的には以下の2つの目的がある。
①オフェンスがボールを持った瞬間にディフェンスの間に距離ができたクローズアウトのシチュエーションを作る。
②オフェンスがボールを持った瞬間にボールマンとリングを結んだライン(インライン)にディフェンスがいないシチュエーションを作る。
①のクローズアウトシチュエーションではシュートを放つことができるし、②のインラインが開いたシチュエーションではリングに対して向かっていき、レイアップやゴール下のショットを狙うことができる。
また私は、クローズアウトかつインラインが開いているシチュエーション(①、②の条件がそろったもの)を「カウンター」の状況と定義しています。
このカウンターの状況を作りだせれば、シュートを止めるためにボールマンに向かってくれば、リングへ容易にアタックしていくことができますし、ドライブを止めようと先にインラインに入るのならば、容易にシュートを狙っていくことができます。
なぜ3Pとゴール下のシュート(ファウルをもらってフリースロー)を狙うべきなのかは、記事「シュートの期待値」を参考にしてください。
この前提のもとに、オフェンスにシュートスキルがなかったらどうなるでしょうか?
大きな選手からのインサイドアウトやドライブからのキックアウトの状況でもインラインを先に消してからゆっくりクローズアウトできるでしょう。
ボールマンがスクリーンを使った際には、インラインを素早く埋めるために、スライドやアンダー(スクリーンの下を抜ける)を簡単にされて、スクリーンがうまくかからないかもしれません。
素晴らしいオフェンスのシステムがあったり、パスの展開があったとしてもシュートのスキルがなければ、ずれができにくく、タフなシュートを選択する場面が多くなります。
選手一人一人がシュートスキルを身につけるということは、チームの戦術を構築する上でも非常に重要な要素になるのでしっかりと時間をかける必要があります。