GRITのコーチ岡崎です。
これまで6年間、育成年代の選手たちにバスケットボールコーチとして、バスケットボール教室を600回以上開催、400人以上の選手のコーチやレッスンを行ってきました。
シュートの確率を上げていく上で、まず取り組んでいるのはストレートシューターになることです。
つまり、狙った方向に対する左右の「ずれ」をなくすことに取り組みます。
ここに多くの時間を費やすことが重要です。
*ボードシューティング(まっすぐ飛ぶかの確認ドリル)
トップレベルのシューター陣は非常に安定して、自分の意図した方向にボールを飛ばすことができます。育成年代の多くの選手をみてきましたが、左右に大きくずれるシュートを何本練習しても確率は上がってこないパターンがほとんどでした。
「まっすぐ飛ばす」というのは言うのは簡単ですが、やってみると難しいことだと思います。
どうすれば左右のずれをなくせるのか?
その答えを探して、研究と分析をしてきました。
すると左右にずれる選手にはある傾向があることに気がつきました。私自身の感覚として体を斜めにして打った方がスムースであることに気がつき2016年に個人のブログにて紹介しています。(shuji-okazaki.comより「安定したシュートをつくる」)
そして実際に体幹から肩甲骨、肩関節、上腕がどのように動いているのかを大学病院内の解析施設で分析し一つの仮説を立て、現場で実践してきました。
リングに対して正対するのが良いのか?利き手側を少し出した方がいいのか?この体の向きというのはシュートをまっすぐ飛ばす上で非常に重要な因子になります。
結論としては、『利き手側を前に出し、上体(体幹)を斜めにする』ことが最も効率的で、安定するフォームにつながります。
なぜ正対するのではなく、斜めになっていた方がいいのか?
これは腕を上げるという動作を分解してみると明確です。
私たちがずれなく、安定して手を上げるには『肩甲骨面挙上』を使うことが重要です。
肩甲骨面とは、画像でも示しますように肩甲骨の面になっている部分です。上腕の骨は肩甲骨にくっついており、連動しています。
(参考として、肩甲骨面挙関連で参考になる論文を乗載せておきます。)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2006/0/2006_0_A0683/_article/-char/ja/)
(Donald A.Neumann,カラー版筋骨格系のキネシオロジー原著第2版,島田智明(訳)有馬廣美(訳),医歯薬出版,pp.168,2012.)
肩甲骨面の上に上腕が乗っている状態が最も効率的な運動であり、パフォーマンスが向上する(腕が上げやすい)ことが科学的にわかっています。
浮遊骨である肩甲骨の面の角度は体に対して角度(約30°)を持ってついています。
シュート動作を考えてみると、肩より上に手を挙げる動作になりますが、この場合は正面から利き手側に30°〜60°の方向に腕が伸びているのが最適であることがわかっています。
(ちなみに腕が下にある場合はもう少し角度がつく。*論文参照してください。)
自身の体で実験してみるとわかりますが、正面を向いてまっすぐに手を上げる(「前ならえ」の状態)動作は非常に窮屈なのに対して、左右に30°くらい開いた状態で手を上にあげるとスムーズであることが確認できるかと思います。
また、日常の何気ない瞬間にも自分の腕の角度を見てみると自然と効率的な角度で動作を行なっているのに気がつくと思います。(食事、歯磨き、勉強、など)
また、トップ選手のシュートをよくみてみると、正対したままのシュートはほとんど見られないことがわかるかと思います。
この角度は選手の体によって異なるので最適な角度を見つけていく必要があります。最も効率的で安定し、再現性の高いフォームをは体を斜めに向けることから作ることができるのです。
以前に解説しましたが、シュートというのは繊細で、同じ動作を繰り返す力(再現性)が必要です。そのため無駄な力がなく、下からの力を最も効率的に伝えていく体の使い方をする必要があります。
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